Grid-Scale Battery
系統用蓄電池とは
再生可能エネルギー社会を支える、電力インフラの新しい要。
Overview
電力を「貯めて、放す」インフラ
系統用蓄電池とは、発電所や工場ではなく、電力系統(送配電ネットワーク)そのものに接続される大型の蓄電設備です。家庭用蓄電池とは異なり、電力市場に直接参加し、電力の需給バランスを調整する役割を担います。
太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、天候や時間帯によって発電量が大きく変動します。その余剰分を蓄え、電力が不足する時間帯に放出することで、安定した電力供給を可能にします。
日本では2030年に向けて大規模な再エネ導入が計画されており、系統用蓄電池は電力インフラの「安定装置」として、今後の需要が急速に拡大しています。
Background
なぜ今、必要なのか
01
再エネの大量導入による需給不安定化
太陽光発電は昼間に大量の電力を生み出しますが、夜間や曇天時には発電できません。電力系統全体の需給バランスが崩れると、周波数が乱れ、停電リスクが高まります。
02
火力発電依存からの脱却
従来は需給調整を火力発電所が担ってきましたが、脱炭素化の流れの中でその役割を別の仕組みに移す必要があります。系統用蓄電池はその有力な代替手段です。
03
2030年に向けた政策的後押し
国は2030年までに系統用蓄電池を大幅に拡大する方針を打ち出しています。電力市場への参入ルールも整備が進み、民間事業者が参入しやすい環境が整いつつあります。
Market Size
拡大を続ける系統用蓄電池市場
2024年 世界市場規模
日本円で約1.9兆円
年平均成長率(CAGR)
2034年までの市場規模見込み
WORLD MARKET GROWTH (IMAGE)
2029年は年平均成長率(CAGR)から算出した概算値。グラフは市場拡大のイメージを示すものです。
地域別シェアと
日本市場の伸びしろ
中国・米国が世界市場を牽引する一方、日本市場のシェアはまだ約4%にとどまります。裏を返せば、日本市場には大きな成長余地があります。
国内の蓄電所ビジネス市場は、2024年度 約450億円 → 2030年度 約4,240億円(約9倍)への拡大が見込まれています。
系統への接続検討申込件数も、2024年度は前年比 約6倍(9,544件)に急増しています。
108GW
世界新設容量
2025年、前年比 約4割増
9割超
蓄電池コスト低下
2010年〜2025年
21.2億kWh
再エネ出力制御量
2024年度、2018年度比 約21倍
アメリカ
IRA(インフレ削減法)で最大30%の税額控除。2023年の導入量は前年比約2倍に拡大。
欧州
ロシア依存脱却でエネルギー安全保障が最優先課題に。「REPowerEU」で2030年再エネ比率45%を目標化。
中国
国家戦略として蓄電池産業を育成。世界の製造シェア約75%を中国メーカーが占有。
日本
島国特有の系統制約が投資の後押しに。長期脱炭素電源オークションで最長20年の固定収入。
出典: Grand View Research(2025年)、market.us(2025年8月)、BloombergNEF(2025年)、資源エネルギー庁「エネルギー白書2024」「電力調査統計」、経済産業省 公表資料をもとに作成
Mechanism
安く買い、
高く売る仕組み
系統用蓄電池の収益は、電力価格の時間帯差や、系統安定化への貢献に対する対価から生まれます。
MARKET 01
JEPX(卸電力市場)
時間帯ごとに変動する電力価格の差を利用します。電力が余って安い時間帯に充電し、価格が高い時間帯に放電・売電することで収益を得ます。
MARKET 02
需給調整市場
電力系統の周波数を一定に保つための「調整力」を提供します。充放電の指令に応答することで、系統安定化の対価として報酬を受け取れます。
MARKET 03
容量市場
将来の電力供給力を確保するための仕組みです。一定の容量を市場に拠出することで、毎年固定的な収入が得られます。
THE ROLE OF KIZUNA GRID
蓄電池が建ち、稼働するまでには、
複雑な初期工程が存在します。
候補地の選定、地主との調整、電力会社への接続検討申請、そして本回答の取得。KIZUNA GRID は、系統用蓄電池案件のこの初期工程に特化し、案件化を前に進める実務を担います。
